一人出版社の短文メモ帳

一人出版社 Creative Edge School Books 緊急用(2015年12月12日から開始)

どうやって、アンヌ隊員を創り出すか

数年前に、まんだらけで買った「怪獣ウルトラ図鑑」。1968年の本です。Amazonだと復刻版で、4,000円ですね。

f:id:designfee:20151212152728j:image

この本、裏表紙のアンヌ隊員で、ずいぶん売れたという話を聞いたことがありますが、ヒロインの魅力は重要だなぁと思うわけです。

f:id:designfee:20151212152739j:image

今やっている医療・ロボティクスをテーマにしたスマホコミックでも、アンヌ隊員のようなキャラクターを置きたいと思っていて、プロトタイプで試し始めています。

読んでもらいたいのが、中学生、高校生なので、憧れのお姉さん、お兄さん的な魅力を発散するキャラクターが欲しい。

たんに可愛いとか、かっこいい、という感じではないんですよね。

以前、参加した心理学の講座で、アンヌ隊員は、ウルトラセブンから切り離しても、単独の物語を夢想しやすいキャラ、というユニークなレポートを聞いて、なるほど、と思った。

個々の(それまでの人生経験を反映し蓄積された)メンタルモデルで決まることですが、学校という共通体験があるから、学園とか、放課後、理科室といったキーワードは、トリガーになり得る。

だけど、「エースをねらえ!」のお蝶夫人って、最高傑作だと思う。

当時は、こんな高校生いるか!と言われてましたが、今は渋谷や池袋に行くといますよね、お蝶夫人ぽい女子高生が。

クリエイターという生き方

「この人、クリエイターだなぁ」と思える人たちって、そんなにいないのですが、このお二人は、人生そのものが、クリエイター道を突っ走る、ブレーキの壊れたダンプカーというか。

今敏さんと、飯野賢治さん。
この2冊は、何度読み直しただろう。

f:id:designfee:20151212145212j:image

特に、今さんの本は、ほんとに壮絶な内容で、絶対にこういう制作環境には入りたくないと思いつつ、ゼロから最初の一を創造していくプロセスに引き込まれます。

お二人とも故人ですが、突き抜けた人生っていうのは、人の心に響くから、忘れにくいよね。

圧倒的に多くの人が、可もなく不可もなし、という人生だから、こういう人たちは目立つし、あちこちに軌跡が「残る」。

この2冊は、一生手放さない本です。

このアプリ、機能多すぎね

30分ほどマクドナルドで、(スマートフォン、人間どちらも)充電タイム。

後ろの席で、高校生の集団が、ゲームやりながら大騒ぎ。まわりのお客さんは嫌な顔してますが、私は彼らの会話に興味津々。

「このアプリ、機能多すぎね」「使いづれぇ」と聞こえたので、ん?何のアプリだ、と気になり、聞き耳を立てていましたが、わからなかった。

彼らは、毎日、集団で使い込んでますからね、優秀なテスターとも言える。

ブラウザーにURLを入力したことのない世代は、すべて、LINEで送って!で済ます。

一人出版社のビジネスカードは、裏にQRコードを刷っているのですが、これが大正解でした。

f:id:designfee:20151212140601j:image

今はもう、「お手軽」じゃだめで、「超お手軽」がデフォルトの時代。

アプリの機能なんて、1つから始めて、ユーザーの声を聞きながら、追加していったらどうかな。
Adobeは、モバイルアプリで、それをやってるんだけど。

マップ発想法

マップ発想法で、「ゾンビを題材にした小説」を考えてみます。テーマは「ジェロントロジー」、伝えたいメッセージは「最後まで住み慣れた場所で、自分らしく生きること」とします。

まず、基本設定。「ある日、西新宿近く、青梅街道でトレーラーが横転、謎のガスが漏えいし、吸い込んだ人たちが次々と、ゾンビ化していく」。

これが物語のオープニングだとします。ゾンビ映画にはよくある設定です(今まで観た映画から借りてきてかまいません)。

「すぐに主要道路は封鎖され、西新宿のエリアから外に出られなくなった数百人が孤立、どうサバイバルするか」というストーリーにします。
この基本設定は、構想のための仮アイデアです。

西新宿のマップ( http://bit.ly/1gpEPEa )を見ます。

f:id:designfee:20151212021058j:image

主人公は、東京メトロ西新宿駅にいて「新宿アイランドタワーに行けば、屋上にヘリポートがあり、救助の可能性があることを知る」という分かりやすいミッションを決めます。

サバイバル・ルートは、「西新宿駅からアイランドタワー( http://bit.ly/1Sasa3G )」です。

f:id:designfee:20151212021125j:image

徒歩3分程度ですが、ゾンビ化した人たちが溢れていますので、地下道や地上の道路は使えません。

主人公たちは、近くの東京医科大学病院に逃げ込みます。マップ( http://bit.ly/1KQA8Qx )で確認します。

f:id:designfee:20151212021151j:image

隣に、アイランドタワーがあり、間に道路があります。

最短コースは、東京医科大から、目の前のアイランドホール( http://bit.ly/1HPWizU )。

f:id:designfee:20151212021217j:image

ここを突破できれば、アイランドタワーに行けます。

主人公と、たまたま一緒になった男女8人が行動を共にします。ホールの入り口は狭い( http://bit.ly/1RlTK2T )ため、ここで4人が犠牲となり、5人がアイランドホールにたどり着きます。

f:id:designfee:20151212021250j:image

この小説で伝えたいのは、前述したとおり「最後まで住み慣れた場所で、自分らしく生きること」。

ストーリーの大半は、東京医科大を舞台にし、生き残った患者たちとの対立をベースにして、メッセージを組み立てます。

アイランドホールに逃げ込むのは、ストーリーのラストという配分にします。

f:id:designfee:20151212021335j:image

メモやスケッチ、マップなどをアイデアノートにまとめ、全体構想をかためていきます。

西新宿に出向き、写真なども撮っておきます。ここまでが基本設定。このドラマの核は、患者たちとのやり取りなので、本格的な作業はこれから。

もし、ファンダメンタルな要素(怖がらせる要素)が弱く、ストーリー展開にメリハリが出ない場合は、要素の置き換えをします。

例えば、ヨロヨロ歩くゾンビから、全速力で追いかけてくるゾンビ(例:ドーン・オブ・ザ・デッド)に置き換えてみます。この置き換えで、ストーリー構築の難易度が上がります。

凶暴なゾンビなので、見つかったら、まず助からないからです。
これで俄然、緊迫感が増します。

f:id:designfee:20151212021610j:image

このような要素置き換えなども、アイデアノートに蓄積され、「アイデアが、アイデアを呼ぶ」ツールになっていきます。

現在進行中の医療・ロボティクスをテーマにしたコミック「ZEROROBOTICS」でも、マップ発想法を使っています。

f:id:designfee:20151212022629j:image

一人出版社専用スマートフォン

パソコンが使えない状況が続いていて、ほんとに困ってますが、こうなったら、この状況を利用してやる!
ということで、iPhoneを大胆にカスタマイズしています。一人出版社専用スマホです。

本当は、Windows Phoneが好きなので、こちらを徹底的にカスタマイズしたいのですが、アプリが少なすぎる。

f:id:designfee:20151212013701j:image

このカスタマイズしたスマホで、人間(つまり私)がどう進化していくか。一人アプリ革命!

f:id:designfee:20151212014113j:image

でも、Windows Phoneはいいな。「なんか、いいよね」っていう、例えるなら、ハンズでたまたま見つけたポストカードがすごく気に入って、一生の宝物になる感じでしょうか。

ヒストリーシート


コンテンツの企画のときには、必ずヒストリーシートを作ります。これは、リーンとアジャイルの歴史を一覧したもの。

f:id:designfee:20151212010906j:image

この後に、デザイン思考とパターンランゲージを追加し、シナリオを書いて収録、「リーン/アジャイル、デザイン思考」のコンテンツをリリースしました。

認知症ケアのコンテンツでも、ヒストリーシートを作っています。すごい時間かかるのですが、これを作っていく過程で、同時に学習もしているので、頭に刷り込まれていくんですね。

だから、Podcastで話したいと思ったら、すぐに収録できる。頭の中に入っているので、資料などを見なくても大丈夫。

ヒストリーシートは、必ずA3サイズでプリントして、エピソードを後から追加していきます。リーン/アジャイルのヒストリーシートは、すごい情報量になってますよ。一人出版社の資産です。