どうやって、アンヌ隊員を創り出すか
数年前に、まんだらけで買った「怪獣ウルトラ図鑑」。1968年の本です。Amazonだと復刻版で、4,000円ですね。
この本、裏表紙のアンヌ隊員で、ずいぶん売れたという話を聞いたことがありますが、ヒロインの魅力は重要だなぁと思うわけです。
今やっている医療・ロボティクスをテーマにしたスマホコミックでも、アンヌ隊員のようなキャラクターを置きたいと思っていて、プロトタイプで試し始めています。
読んでもらいたいのが、中学生、高校生なので、憧れのお姉さん、お兄さん的な魅力を発散するキャラクターが欲しい。
たんに可愛いとか、かっこいい、という感じではないんですよね。
以前、参加した心理学の講座で、アンヌ隊員は、ウルトラセブンから切り離しても、単独の物語を夢想しやすいキャラ、というユニークなレポートを聞いて、なるほど、と思った。
個々の(それまでの人生経験を反映し蓄積された)メンタルモデルで決まることですが、学校という共通体験があるから、学園とか、放課後、理科室といったキーワードは、トリガーになり得る。
当時は、こんな高校生いるか!と言われてましたが、今は渋谷や池袋に行くといますよね、お蝶夫人ぽい女子高生が。
クリエイターという生き方
「この人、クリエイターだなぁ」と思える人たちって、そんなにいないのですが、このお二人は、人生そのものが、クリエイター道を突っ走る、ブレーキの壊れたダンプカーというか。
この2冊は、何度読み直しただろう。
特に、今さんの本は、ほんとに壮絶な内容で、絶対にこういう制作環境には入りたくないと思いつつ、ゼロから最初の一を創造していくプロセスに引き込まれます。
お二人とも故人ですが、突き抜けた人生っていうのは、人の心に響くから、忘れにくいよね。
圧倒的に多くの人が、可もなく不可もなし、という人生だから、こういう人たちは目立つし、あちこちに軌跡が「残る」。
この2冊は、一生手放さない本です。
このアプリ、機能多すぎね
30分ほどマクドナルドで、(スマートフォン、人間どちらも)充電タイム。
後ろの席で、高校生の集団が、ゲームやりながら大騒ぎ。まわりのお客さんは嫌な顔してますが、私は彼らの会話に興味津々。
「このアプリ、機能多すぎね」「使いづれぇ」と聞こえたので、ん?何のアプリだ、と気になり、聞き耳を立てていましたが、わからなかった。
彼らは、毎日、集団で使い込んでますからね、優秀なテスターとも言える。
ブラウザーにURLを入力したことのない世代は、すべて、LINEで送って!で済ます。
一人出版社のビジネスカードは、裏にQRコードを刷っているのですが、これが大正解でした。
今はもう、「お手軽」じゃだめで、「超お手軽」がデフォルトの時代。
アプリの機能なんて、1つから始めて、ユーザーの声を聞きながら、追加していったらどうかな。
Adobeは、モバイルアプリで、それをやってるんだけど。
マップ発想法
マップ発想法で、「ゾンビを題材にした小説」を考えてみます。テーマは「ジェロントロジー」、伝えたいメッセージは「最後まで住み慣れた場所で、自分らしく生きること」とします。
まず、基本設定。「ある日、西新宿近く、青梅街道でトレーラーが横転、謎のガスが漏えいし、吸い込んだ人たちが次々と、ゾンビ化していく」。
これが物語のオープニングだとします。ゾンビ映画にはよくある設定です(今まで観た映画から借りてきてかまいません)。
「すぐに主要道路は封鎖され、西新宿のエリアから外に出られなくなった数百人が孤立、どうサバイバルするか」というストーリーにします。
この基本設定は、構想のための仮アイデアです。
西新宿のマップ( http://bit.ly/1gpEPEa )を見ます。
サバイバル・ルートは、「西新宿駅からアイランドタワー( http://bit.ly/1Sasa3G )」です。
徒歩3分程度ですが、ゾンビ化した人たちが溢れていますので、地下道や地上の道路は使えません。
主人公たちは、近くの東京医科大学病院に逃げ込みます。マップ( http://bit.ly/1KQA8Qx )で確認します。
隣に、アイランドタワーがあり、間に道路があります。
最短コースは、東京医科大から、目の前のアイランドホール( http://bit.ly/1HPWizU )。
ここを突破できれば、アイランドタワーに行けます。
主人公と、たまたま一緒になった男女8人が行動を共にします。ホールの入り口は狭い( http://bit.ly/1RlTK2T )ため、ここで4人が犠牲となり、5人がアイランドホールにたどり着きます。
この小説で伝えたいのは、前述したとおり「最後まで住み慣れた場所で、自分らしく生きること」。
ストーリーの大半は、東京医科大を舞台にし、生き残った患者たちとの対立をベースにして、メッセージを組み立てます。
アイランドホールに逃げ込むのは、ストーリーのラストという配分にします。
メモやスケッチ、マップなどをアイデアノートにまとめ、全体構想をかためていきます。
西新宿に出向き、写真なども撮っておきます。ここまでが基本設定。このドラマの核は、患者たちとのやり取りなので、本格的な作業はこれから。
もし、ファンダメンタルな要素(怖がらせる要素)が弱く、ストーリー展開にメリハリが出ない場合は、要素の置き換えをします。
例えば、ヨロヨロ歩くゾンビから、全速力で追いかけてくるゾンビ(例:ドーン・オブ・ザ・デッド)に置き換えてみます。この置き換えで、ストーリー構築の難易度が上がります。
凶暴なゾンビなので、見つかったら、まず助からないからです。
これで俄然、緊迫感が増します。
現在進行中の医療・ロボティクスをテーマにしたコミック「ZEROROBOTICS」でも、マップ発想法を使っています。