マップ発想法
マップ発想法で、「ゾンビを題材にした小説」を考えてみます。テーマは「ジェロントロジー」、伝えたいメッセージは「最後まで住み慣れた場所で、自分らしく生きること」とします。
まず、基本設定。「ある日、西新宿近く、青梅街道でトレーラーが横転、謎のガスが漏えいし、吸い込んだ人たちが次々と、ゾンビ化していく」。
これが物語のオープニングだとします。ゾンビ映画にはよくある設定です(今まで観た映画から借りてきてかまいません)。
「すぐに主要道路は封鎖され、西新宿のエリアから外に出られなくなった数百人が孤立、どうサバイバルするか」というストーリーにします。
この基本設定は、構想のための仮アイデアです。
西新宿のマップ( http://bit.ly/1gpEPEa )を見ます。
サバイバル・ルートは、「西新宿駅からアイランドタワー( http://bit.ly/1Sasa3G )」です。
徒歩3分程度ですが、ゾンビ化した人たちが溢れていますので、地下道や地上の道路は使えません。
主人公たちは、近くの東京医科大学病院に逃げ込みます。マップ( http://bit.ly/1KQA8Qx )で確認します。
隣に、アイランドタワーがあり、間に道路があります。
最短コースは、東京医科大から、目の前のアイランドホール( http://bit.ly/1HPWizU )。
ここを突破できれば、アイランドタワーに行けます。
主人公と、たまたま一緒になった男女8人が行動を共にします。ホールの入り口は狭い( http://bit.ly/1RlTK2T )ため、ここで4人が犠牲となり、5人がアイランドホールにたどり着きます。
この小説で伝えたいのは、前述したとおり「最後まで住み慣れた場所で、自分らしく生きること」。
ストーリーの大半は、東京医科大を舞台にし、生き残った患者たちとの対立をベースにして、メッセージを組み立てます。
アイランドホールに逃げ込むのは、ストーリーのラストという配分にします。
メモやスケッチ、マップなどをアイデアノートにまとめ、全体構想をかためていきます。
西新宿に出向き、写真なども撮っておきます。ここまでが基本設定。このドラマの核は、患者たちとのやり取りなので、本格的な作業はこれから。
もし、ファンダメンタルな要素(怖がらせる要素)が弱く、ストーリー展開にメリハリが出ない場合は、要素の置き換えをします。
例えば、ヨロヨロ歩くゾンビから、全速力で追いかけてくるゾンビ(例:ドーン・オブ・ザ・デッド)に置き換えてみます。この置き換えで、ストーリー構築の難易度が上がります。
凶暴なゾンビなので、見つかったら、まず助からないからです。
これで俄然、緊迫感が増します。
現在進行中の医療・ロボティクスをテーマにしたコミック「ZEROROBOTICS」でも、マップ発想法を使っています。